「もっと勉強したい」という気持ちがあれば
専攻が違っても大丈夫

理科好きが高じて、地学や地球環境について学ぶ学科へ進学しました。実習で化石の採取に行き、化石を調べてその時代の地球環境を研究した経験もあります。何かを調べる作業には深く没頭でき、知識を増やしていく感覚が心地よかったことから、就職先も研究開発ができる職種に絞ってエントリーしていました。
実はクルマにあまり興味を持っていませんでしたが、ホンダテクノフォートでは研究開発以外の部署へ配属になる可能性がほとんどないと知り、魅力を感じました。

学生時代に学んでいたことと現在の業務にあまり接点はないものの、入社後にそれを不利だと感じたことはありません。「もっと勉強したい」と前向きに努力する姿勢で取り組めば、過去に勉強してきた分野がまったく違っていても気にする必要はないと思います。
知識や技術も大切ですが、開発の仕事は他部署との連携が必須で人と話す機会がとても多いので、黙々と作業をするよりも人とのコミュニケーションを楽しめることが重要だと感じています。

部署を超えたチームワークで
「止まる」機能を徹底的に追求

現在所属している電子制御開発ブロックでは、主にハイブリッド車やEV車に採用されている「電動サーボブレーキ」の開発を行っています。電動サーボブレーキとは、四輪車が停止する際にブレーキの摩擦によって生じる熱を、電気のエネルギーとして回収し燃費向上につなげるもの。そのなかでも私は、ブレーキの機能を制御するECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)の開発を担当しています。

ECU開発では、ブレーキにどんな機能を与えるか決定し、テストをします。具体的な例を挙げると「シングルペダル」と呼ばれる、アクセルペダルから足を離すと自動的にブレーキがかかる機能がありますが、それを開発中の機種に導入するか否かを決め、機能が成立しているかテストや検証を繰り返す仕事です。

その過程ではブレーキの設計担当や実験担当、エンジンや衝突安全など、ブレーキに関連した各部署の担当者とも密に連携を取りながら進めています。PCを使った開発がほとんどですが、Hondaのテストコースで実車を走らせて確認を行うなど、クルマに触れる機会も結構あります。

まだ世に出ていない、
一歩先の未来の技術がここにある

ブレーキの開発は、マイナーチェンジでもフルモデルチェンジでも、数年間という長い時間がかかります。入社1年目に初めて受け持った機種が開発完了を迎えられたときには、大きな達成感を得ることができました。
現在は3つの機種の開発を同時並行で担当しています。これらが開発完了を迎え、量産体制に入るのは数年後。だから今のクルマの一歩先をいく技術を取り入れ、機能に反映させていく必要があります。さらに自動運転が注目される昨今では、クルマにはより高い安全性が求められており、電子制御システム開発の担う役割も増してきました。

将来的には、ブレーキ以外の機能を担当してみたい気持ちよりも、ブレーキの開発業務を極めたい思いが強いです。ブレーキに関することなら何を聞かれても答えられるくらい、知識と経験が豊富なエンジニアを目指しています。